1月 12 2023

振袖がより美しく見えるしぐさ（２）

こんにちは、きものサロン桂の堂崎です。

先日、香川県内の各市町で、二十歳のつどいが開催されました。ニュースによると、今年度香川県では約9900人が20歳になるそうです。二十歳になられました皆さま、心よりお喜び申し上げます。

私も、この成人式当日は、桂貴迎館において対応に関わらせて頂きました。この世代の皆さんは、新型コロナの影響で学校の入学式や行事などが控えられるケースも多く、この二十歳の集いでみんなに会えてとても嬉しかったと伺い、とても感慨深かったです。本当におめでとうございます。

今回は、前回（1/3付ブログ）に続き、振袖がより美しく見えるしぐさについて触れていきたいと思います。

振袖が美しく見えるしぐさ（基本の動作）

前回（1/3付ブログ）で、振袖が美しく見えるしぐさの基本の動作として、「立つ」、「歩く」、「ものをとる」、「階段を上がる」「車に乗る」「椅子に座る」、について取り上げました。

（1/3付ブログ）「振袖がより美しく見えるしぐさ（１）

振袖は上品でとてもおしゃれな着物で、振袖を着ることで女性の品格が磨かれ高められると言われます。これに美しく見えるしぐさが加わることで、さらに美しく素敵に映えます。

振袖が美しく見えるしぐさ（マナー）

振袖は未婚女性の第一礼装として、成人式の他、卒業式や結婚式、各種パーティなど改まった場や儀式に出る場合も多くなります。こうした場でのマナー、お作法について触れたいと思います。

１．お辞儀のし方

まず美しい立ち姿が基本になります。足のつま先を揃え、頭は天井から引っ張られるような感じで背筋を伸ばし、お尻を締めてヒップを上げ美しい立ち姿をとります。この姿勢から、背筋を伸ばして顎を引き、両手を前に揃えて、おへそに力を入れて腰を折るようにゆっくりと上半身を前方へ傾けます。その状態で一旦静止し、ゆっくりと上体を戻します。お辞儀は、頭だけを下げるような形にならないよう気をつけ、心のこもったお辞儀を行うことで、相手にとても好い印象を与えます。

２．たたみの上での歩き方、正座

振袖で畳の間に上がることもよくあります。この場合の作法も知っておく必要があります。

まず和室でのマナーとして、畳の上を歩くときは、音を立てずにすり足で歩き、敷居や畳の縁を踏まないようにします。畳の縁はその家の顔とも言われることもあり、ご注意下さい。

正座するときは、まず右足を半歩後ろに引き、右手で上前を少し引き上げます。左手で太もものあたりを軽く押さえ、右手でひざ下を押さえながら腰を落とすと裾が乱れにくくなります。座ったら両手は膝の上で重ね、両袖は後ろ側に流します。

正座から立ち上がるときは、腰を浮かせかかとを上げてつま先立ちになり、かかとにお尻を載せ、上前を押さえながら右足から立ち上がります。裾を踏まないよう気をつけて下さい。

３．食事

大切な着物を汚さないためにも、大きめのハンカチやナフキンを用意しておきましょう。食事の際の注意点としては、料理は一口で食べられるサイズに小さく切っておくのが食べやすく、見た目も美しいです。また、お料理に袖が当たって汚れないよう気をつけて下さい。お水の入ったグラスなど冷たい飲み物を持つ場合は、グラスの滴が着物に付かないよう、グラスの底を紙ナプキンで包むと安心です。

４．トイレ

着物を着た場合のトイレは、袖や裾をまとめたり整えるのに時間がかかります。トイレは時間に余裕をもって行くようにしましょう。トイレでは、袖は丁寧に折りたたみクリップなどで留めます。裾は上前、下前をそれぞれたくし上げ、クリップなどで帯に挟み込みます。長襦袢も同様にたくし上げて留めます。

トイレの方法は、次の桂ブログで詳しく写真入りで手順を紹介していますので、ご確認下さい。

（1/6付ブログ）「振袖を着た時のトイレの行き方/車の乗り方」

５．携帯電話

振袖を着ている時に手を上げる動作をすると、袖が重みで下がり、腕が見える場合があります。携帯電話を使う際、手を上げるときは、反対の手で袖口をそっと抑えます。このそっと抑えるしぐさがエレガントにつながります。また、電話でのお話も、ちょっと声も表情も優雅にお話しましょう。