衿芯(えりしん)ってどんなもの?何に使うもの?
こんにちは。きものサロン桂丸亀店です。
1月の大イベント“はたちの集い(成人式)”も終わり、これからの着物シーズンと言えば春の卒業・入学ですね。
着物を着る時には、着物・帯・長襦袢(ながじゅばん=着物のベースとして下に着るものです)だけでなく、
着付ける為の小物が必要になります。その中の一つに
衿芯(えりしん)という小物があります。
この衿芯について店頭で多くのご質問を頂きましたので、今日はこの衿芯について…
1 衿芯はどんなもので何に使う?
2 全ての着物に衿芯は必要?
3 衿芯に種類はあるの?
4 衿芯はいつ通しておく?
5 着物を着終わった後の衿芯はどうする?
5つの事にお答えしていきたいと思います。
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1 衿芯ってどんなもの?何に使う?
先ず、着物を着る時には、まず肌着や裾除け(すそよけ)となど、着物用の下着を着用します。
肌着を着たら→着物 ではなく、その間に、長襦袢(ながじゅばん)という、着物を着る為のベースとなるものを着ます。
長襦袢には、衿が付いており、その衿を地衿(じえり)と呼びます。
長襦袢は地衿のままで着る事は出来ません。
半衿(はんえり)と言って、地衿の上に縫い付けて使う衿があり、これを付ける事で着物を首元の皮脂、ファンデーションなどの汚れから守る事が出来ます。
そして、半衿と地衿の間に通して使用するもの、それが
衿芯
です。
衿芯は長襦袢の衿を綺麗に着付ける為に必ず必要です!
長襦袢の衿に添わせて着物を着付けるので、
長襦袢の衿が綺麗=着物の衿が綺麗 になります。
2 全ての着物に衿芯は必要?
基本的には必要です。
振袖はもちろん、
ご婚礼での留袖、
御祝や式典などのシーンで着用する訪問着や色無地、
オシャレ着として着る紬や小紋、
など、着物を着る時には衿芯が必要です。
ゆかたを着る場合は、
ゆかた用の肌着→ゆかた
の順番で基本的には着用しますので、長襦袢を着ない為、衿芯は不要です。
ですが、ゆかたを着る際にも衿元をビシッと綺麗に着たい!と、衿芯を使って着られる方もいらっしゃいます。
また、男性の着物の場合には衿芯は不要です。
男性の場合は女性の様に衿を抜く(衿の後ろを引いてうなじを見せる)事が無いので、衿芯が必要ないのです。
3 衿芯に種類はあるの?
当店で取り扱いのある衿芯は3種類あります。
①ポリエチレン素材の衿芯
2本セットになっています。通常は1本で使用する事ができ、薄手では有りますが、しっかりとしています。
固めの衿芯がお好みの方は2本使用される方もいらっしゃいます。
②塩瀬(しおぜ)タイプの衿芯
衿元に自然なカーブを付ける事ができますので、柔らかい衿元がお好みの方は塩瀬タイプの衿芯がオススメです。
③幅広タイプの衿芯
通常の衿芯は衿の内側に1本の衿芯を通して使用しますが、こちらは衿の外側に両側からそれぞれ1本ずつ衿芯を通します。
この衿芯は長襦袢の地衿の巾に合わせて作られており、とてもしっかりとした衿元になります。
よくご相談頂くのですが、長襦袢を着た時に衿がしっかりとしない、半衿にシワが寄る、衿芯が細いので半衿の中で衿芯が下に落ちて綺麗にならない、などのお悩みをお持ちの方は是非一度使用してみて頂きたい商品です。
※既製品の長襦袢の方は衿巾が細い事がありますのでこの衿芯が通らない場合も有ります。
4 衿芯はいつ通しておく?
こちらも店頭でご質問頂く事があるのですが、着付けのご予約をされている場合は、衿芯と長襦袢は別々で持込でOKです。先に通すのは手間も掛かりますが、衿芯を通した長襦袢を畳むと長襦袢がシワになったり、衿が広がった形になってしまう事もあります。
ですので、自宅での準備段階では、長襦袢に半衿が掛かっている事を確認しておくだけでOKです。
(半衿が掛かっていない場合は先に縫い付けておく必要があります)
5 着物を着終わった後の衿芯はどうする?
着終わったら衿芯は抜いてください。
衿芯は半衿の中に通しているだけなので、引っ張ると抜く事が出来ます。
衿芯が入ったままで畳んで保管されると、長襦袢の衿も歪んだ形が付きますし、
衿芯にも歪んだ形が付き、次に使用する事が難しくなります。
また、半衿に衿芯の跡が付いてしまったという方もいらっしゃいました。
そのままで畳んだり、保管したりすることが無い様ご注意ください。
さて、今回は着付けに必要な“衿芯”についてご紹介致しました。
先日のはたちの集い(成人式)に出席された方、振袖着用後の片づけは終わられていますか?
衿芯がそのままになっている方は、必ず抜いて保管してくださいね。
また、これからはたちの集い(成人式)を迎えられる方は、着られる時、着られた後のご参考にされてくださいね。
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